水木ロードは夜も楽しい

夜の水木しげるロードは静寂に包まれています。

柔らかな明かりに浮かび上がる妖怪たちが、昼間とは違った表情を見せてくれます。
見上げれば満天の星空。夜風に混じる潮の香り。冬の訪れを予感させる肌寒さ。僕は、境港の夜を五感で楽しみました。

「妖怪検定だけ受けて帰るのはもったいない。水木しげるロードは、夜も楽しいのに」。この思いを妖怪検定上級にぶつけました。上級試験の論文テーマは「妖怪の立場で提言する“境港のまちづくり”」でした。

僕にとって、妖怪検定の受験旅行は、交流の機会です。試験終了後に受験仲間と歓談したり、お土産を買うときに店員さんとおしゃべりしたり…。
こうした人とのつながりに思いを馳せつつ、「夜の水木しげるロードにもたくさんの人たちが遊びに来るといいなぁ」という願いも提言に込めました。

「夜の境港を舞台に交流が生まれる。妖怪が人と人をつなぐ」。ドラマチックな展開を夢想しながら、僕はただひたすら文章を紡ぎました。その論文で何と、上級に合格したのです。

2015年11月30日には、水木しげる先生の訃報と行き違いで、合格証書とピンバッヂが僕の手元に到着。この日、僕は正式に上級の妖怪博士となりました。
家庭教師&ライターである僕は、人に何かを伝えることを生業としています。その活動の中で、境港への愛、そして妖怪への愛をこれからも発信していきたいのです。

それが水木しげる先生のご遺志を受け継ぐことだと信じています。

鬼太郎らと並ぶ本間秀明さん ⓒ水木プロ