妖怪の魅力を伝えていきたい。

小学生の頃にゲゲゲの鬼太郎のアニメ5期が放送していたり、境港に近い島根県に住んでいたということもあって、それなりに妖怪にハマっていたかとは思います。

 現在のようなハマり方をしたのは大学の頃、講義の中で妖怪について触れたため、学内の図書館で調べたことがきっかけでした。

 それまでは、妖怪はフィクションの中にしかいない架空の存在だと認識していましたが、調べていくうちに妖怪は創作の中だけではなく、想像以上に我々がいるリアルの世界にも深く根付いているものであることを知り衝撃を受けました。

 以降、小学生の頃とは違う側面で妖怪にハマり、民俗学的な妖怪の文献や本を読んだり、旅行が好きだったこともあって妖怪の伝承があった地や妖怪スポットを巡るようになったのです。

 今回の上級試験の論文で書いた妖怪「浪小僧」に関しても、それが伝わる静岡県浜松市の海岸あたりに試験の数カ月前に訪れていました。

 浪小僧はそこの海岸で聞こえる波音の特殊性から、それが妖怪の仕業として考えられ、生まれたものとされています。

 これに限らず、河童の手型が付いた石であったり、九尾の狐を封じた石など、それらの仕業とされる現象や残した痕跡は各地に存在するという事実に、妖怪の現実性を感じています。

 妖怪は実在しないが、それが伝承され語られているという事実や、その存在がいると仮定しているという概念そのものが愛おしく、また嬉しく思います。

 自分も微力ながら妖怪の魅力を後世や周りの人に伝えていきたい所存であり、そのための説得力となるものが境港妖怪検定上級という資格であると思っています。

静岡県浜松市舞阪宿松並木公園に設置されている浪小僧の石像/本人撮影