3年ぶりの実施、そして水木しげる先生の生誕100周年という記念すべき年に合格させていただき、大変光栄に思っています。

 私が妖怪に興味を持ち始めたのは、幼少期に「きんいろのきつね」という絵本を手に取ってからでした。

 この本は、インドや中国の王、さらには日本の鳥羽上皇に近づき国を滅ぼそうとした「白面金毛九尾の狐」と、その狐が正体を見破られ、栃木県那須野が原で退治された後に変化した「殺生(せっしょう)(せき)」伝説について書かれたものです。

 「殺生石」については、昨年の3月に割れてしまったことや、近くで猪が8頭死んでいたことがニュースになりましたので、ご覧になった皆さんもいらっしゃるのではないでしょうか。

 私は栃木県出身なのですが、地元に残るこの壮大なストーリーに魅了され、さらに追究していきたいと思うようになりました。同時に妖怪というものの存在にも引き付けられていきました。

 それ以降、妖怪に関する書籍を読み漁り、大学の卒業論文では殺生石伝説を取り上げ、全国の妖怪に関する土地や神社仏閣を探訪したり、水木しげる先生の作品に触れたりする中で妖怪検定と出会いました。

 「好きを極めて博士を目指す」。この検定は、これまで培った妖怪に関する知識や経験、「好き」という想いを発揮できる最適な場所だったと思います。

 境港市は「妖怪文化伝承事業」を展開されていますが、今後は微力ながら妖怪文化について、さらにはその文化が醸成されている境港市の魅力についても伝え広めていければと考えています。