妖怪好きが一つの形に

私が妖怪に興味を持った最初のきっかけは「忍者戦隊カクレンジャー」という作品でした。毎週、昔の妖怪画と一緒に現代風にアレンジされた妖怪が登場するのですが、第一話でカッパを見たときの衝撃を今でも覚えています。

 それからというもの、キャラクターとしての多様さにひかれ、水木しげる先生の妖怪の本を両親に買ってもらうようになりました。そして妖怪関係の漫画を読みあさり、民俗学を学ぶことができる大学を選択して進学するほど、のめり込みました。

 妖怪という言葉自体は、かつて格調高い文章にだけ使われる傾向にあったそうですが、今では誰しもが知っている言葉です。文学、美術、教育、風習、信仰、娯楽と、様々な分野と密接している独特な文化だといえるでしょう。

 境港のように町おこしに貢献しているのも面白く、私が住んでいる奈良でも、一昨年に国民文化祭の一環で「かわいようかいあーとふぇす」という催しが開かれ、楽しかったです。

 妖怪検定の存在を知ってから受験するまでは早かったと思います。初級、中級、上級と縁あって認定していただきましたが、今まで妖怪好きとして、あれこれ経験したことがひとつの形になったのかなと思っています。

 人間がいる限り妖怪は不滅。我々の生活の中でにぎやかに百鬼夜行する様子を、これからも楽しんでいきたいです。

関門トンネルを旅行中の高山佳祐さん